相続人の権利・義務
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相続人とは何でしょうか。また相続人である場合、どのような権 利や義務がありますか。 ------------------------------------------------------------
[回答]
相続人とは、亡くなった人の財産や債務を全て引き継ぐ権利を持 った人のことを言います。
例えばお父さんであるXさんが亡くなった場合、その相続人であ るAさんは、Xさんの持っていた土地や建物、預貯金や電話加入権 まで、全ての財産を引き継ぐ権利を取得することになります(民法 896条)。※一身専属権は除きます。
また、プラスの財産だけではなく、もし亡くなったXさんが借金 をしていたり、誰かの借金の保証人になっていたりすると、その借 金や保証人の立場も、Aさんが引き継がなければならないことにな ります。(借金が多い場合は、プラスの財産も何も引き継がない代 わりにマイナスの財産も引き継がない「放棄」という方法がありま すが、これについては後述します。)
なお、相続が発生すると、相続が発生した時点で、亡くなった方 の財産は相続人全員の共有になります(民法898条)。土地や建物、 預貯金など全てが共有の状態ですから、その財産を相続人の一人が 勝手に処分したりすることは原則としてできません。このため預貯 金も、原則として正式な相続手続きをするまで下ろせなくなってし まうのです(ちなみに本来は、預貯金など容易に分けることのでき る財産(=「可分財産」)については、相続が発生した時点で相続分 に従って各自が取得することとされています。しかし実務上は預貯 金についてこのような取扱いをすることは少なく、相続人全員の協 力が必要となる場合がほとんどです。)。
これを「この財産は自分のものだ」と言えるようにするためには、 誰がどの財産をもらうのかということを相続人全員で話し合い、そ の証拠として「遺産分割協議書」を作ったり、銀行所定の用紙に署 名押印したりしなければなりません。
ちなみに、プラスの財産とは異なり、マイナスの財産は、相続人 の間で「借金は、相続人のうちAさんが全て引き継ぐことにしよう」 と決めたとしても、債権者にはその主張はできず、債権者はAさん 以外の相続人に請求することが出来てしまいますので、特に注意が 必要です。
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