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相続人の権利・義務 2011/05/07
相続人の権利・義務

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[質問]

 相続人とは何でしょうか。また相続人である場合、どのような権
利や義務がありますか。
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[回答]

 相続人とは、亡くなった人の財産や債務を全て引き継ぐ権利を持
った人のことを言います。

 例えばお父さんであるXさんが亡くなった場合、その相続人であ
るAさんは、Xさんの持っていた土地や建物、預貯金や電話加入権
まで、全ての財産を引き継ぐ権利を取得することになります(民法
896条)。※一身専属権は除きます。

 また、プラスの財産だけではなく、もし亡くなったXさんが借金
をしていたり、誰かの借金の保証人になっていたりすると、その借
金や保証人の立場も、Aさんが引き継がなければならないことにな
ります。(借金が多い場合は、プラスの財産も何も引き継がない代
わりにマイナスの財産も引き継がない「放棄」という方法がありま
すが、これについては後述します。)

 なお、相続が発生すると、相続が発生した時点で、亡くなった方
の財産は相続人全員の共有になります(民法898条)。土地や建物、
預貯金など全てが共有の状態ですから、その財産を相続人の一人が
勝手に処分したりすることは原則としてできません。このため預貯
金も、原則として正式な相続手続きをするまで下ろせなくなってし
まうのです(ちなみに本来は、預貯金など容易に分けることのでき
る財産(=「可分財産」)については、相続が発生した時点で相続分
に従って各自が取得することとされています。しかし実務上は預貯
金についてこのような取扱いをすることは少なく、相続人全員の協
力が必要となる場合がほとんどです。)。

 これを「この財産は自分のものだ」と言えるようにするためには、
誰がどの財産をもらうのかということを相続人全員で話し合い、そ
の証拠として「遺産分割協議書」を作ったり、銀行所定の用紙に署
名押印したりしなければなりません。

 ちなみに、プラスの財産とは異なり、マイナスの財産は、相続人
の間で「借金は、相続人のうちAさんが全て引き継ぐことにしよう」
と決めたとしても、債権者にはその主張はできず、債権者はAさん
以外の相続人に請求することが出来てしまいますので、特に注意が
必要です。
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