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養子の子の代襲相続権 2012/04/21

養子の子の代襲相続権

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[相談]

 私の父は、昭和60年に妻の両親(私の母方の祖父母)と養子縁組をしまし
た。その後父は、平成15年に死亡しています。

 この度、母方の祖父が亡くなりました。私には弟と妹がおり、2人は父の養
子縁組後に生まれています。養子縁組前に生まれた養子の子は代襲相続人にな
れないと聞いたことがありますが、私は祖父の遺産を引き継ぐことができない
のでしょうか。

祖父==============祖母
 (平成23年死亡)   |
          ______|_______
         |       |
         A ===== B   
       母:長女  |  父:養子(昭和60年養子縁組)
             |       (平成15年死亡)
       ______|______    
      |      |      |  
    私(長男)    二男     長女
(昭和55年生) (昭和61年生) (昭和63年生)
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[回答]

 ご相談者も、祖父の代襲相続人になることができます。

[解説]

 代襲相続については、民法887条2項で「被相続人の子が、相続の開始以
前に死亡したとき、(中略)、その者の子がこれを代襲して相続人となる。た
だし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りではない」と規定されていま
す。

 このことから、代襲相続人となるには、@相続人の直系卑属であること、
A被相続人の直系卑属であること、B相続開始時に存在すること、が必要であ
るといえます。

 また、養子との関係では、民法727条で「養子と養親及びその血族との間
においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる」
と規定されており、判例(大判昭7・5・11民集11・1062)で「養子
縁組以前に生まれた養子の直系卑属と養親との間には親族関係を生じない」と
されています。

 よって、養子縁組前に生まれた養子の子は養親との間では親族関係、つまり、
養親の直系卑属にはならないことになり、原則として代襲相続人にはなれませ
ん。

 しかし、今回の場合、ご相談者は被相続人の実子であるA(母)の子であり、
Aを通して被相続人の直系卑属になるため、弟さん・妹さんとともに祖父の代
襲相続人になることができます。

 このことは、判例や民事局の回答でも示されています。

「代襲相続人となるには、親の直系卑属であればよく、必ずしも被代襲者を通
 じて養親の直系卑属であることまで要求するものではない。」
(大阪高判H1.8.10高民集42・2・287)

「被代襲者の縁組前の子であっても、本来、被相続人の直系卑属である場合は、
 代襲適格を有する。」(昭和35・8・5民事甲1997回答「例3」)    

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