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[相談]
平成22年度の改正により創設されたグループ法人税制において、一定の法人
は、中小企業者等の軽減税率などの中小法人税制を適用しないこととされてい
ます。その一定の法人の範囲について、平成23年度に改正がありましたが、そ
の改正内容を教えてください。
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[回答]
平成22年度改正で創設されたグループ法人税制では、大法人(資本金5億円
以上の法人)によって発行済株式等の100%を直接又は間接に保有される中小
法人(資本金1億円以下の法人)については、中小法人税制を適用しないこと
とされています。
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│ P │資本金10億円:大法人
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↓ 100%所有
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│当 社│資本金3千万円:中小法人
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単独の大法人が100%保有 → 中小法人税制の適用×
平成23年度改正では、中小法人税制の適用を受けられない法人の範囲が拡大
され、2以上の大法人に発行済株式等の100%を直接又は間接に保有される中小
法人も中小法人税制を適用しないこととされました(法法66(6)三)。
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│ X │ 資本金額5千万円:中小法人
100% └─┬─┘ 100%
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│ P1 │ │ P2 │ P1とP2は資本金額10億円:大法人
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50% ↓ 50%
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│当 社│ 資本金3千万円:中小法人
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改正前:大法人単独100%保有なし → 中小法人税制の適用〇
改正後:複数の大法人が100%保有 → 中小法人税制の適用×